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縁側アロハ

縁側アロハ


日時:2021年8月14日土曜15:00~/19:00~, 15日日曜13:00~/17:00~

場所:太田市民会館

出演:栗原一美/新井聖二/小川裕子/大竹直(青年団)/成澤陽子/新島沙結/永井凜/星野孝雄/中村ひろみ/立川談四楼(特別出演)

作・演出・音楽:加藤真史

あらすじ:202X年、夏、お盆の前の日。

北関東郊外の本城家では父の三回忌とお盆の準備が進む。仕度をする二女がビール片手に口ずさむのは失われた夏の思い出を懐かしむ歌ばかり。

普段は母と次女の二人暮らしだが、長女が子ども二人を連れて帰省し、旧家は俄かに賑やかになる。姉妹はまるで毎日会っているかのような会話。祭壇には父の形見だったウクレレが飾られるが、現在の持ち主は父の弟でたまにふらりとやってくる存在の叔父。父の遺した保険金の手続きで保険会社の担当者がやってくるのを待っている家族。そこへスーツを着た若い女性がやって来る。家族は保険会社の担当者だと勘違いするが、彼女は長男の婚約者だった。

その夜、長女の夫が合流し、長男もやってきてウクレレを弾いている。長男にそろそろ定職につけと説教する次女と次女の勢いをとりなしながらそれでもやっぱりいつまでも夢見ている歳じゃないでしょと釘をさす長女、少し距離を取りながらも長男にその気があるなら世話するよと諭す長女の夫、長男がウクレレで父がよく弾いていた曲を奏でる。かつて日本の「分厚い中流」を支えた法人化した個人商店は時流によって否が応なしに解体されていくことが会話から透けていく。母が語るウクレレの思い出。そこへ不意に帰ってくる叔父、ウクレレを弾く長男を見て譲ると言い出す。

翌朝、朝のうちに帰るという叔父に朝食を準備する次女。叔父のハワイ移住の話を聞き、結婚を考えていた相手のことを思い出す。その相手は宮沢賢治に憧れて岩手のフリースクールで教えていたが、津波で行方不明になっている。亡くなった人の遺品にまつわる問答。母と叔父の会話。二人はお互いに直接口に出さない思い出がある。叔父が話題を変えるように、ウクレレを作ったという岡本さんのエピソードとオオタさんの話。オオタさんの息子さんの事業を手伝うためにハワイに住むことに決めたという話。一家の住む土地の歴史と叔父の移住先であるハワイがウクレレを通してつながる。朝食を手伝う由夏子、二日酔いで起きてくる長男に声をかけて出発する叔父。いつもはTシャツや革ジャンを着ている叔父がアロハシャツを着ていたと母が言う。息子の婚約者がアロハシャツはハワイでは正装だと指摘する。法事の支度でバタバタする長女とその夫、僧を迎えに出かける。縁側に座ってウクレレを弾きながら由夏子にプロポーズする長男。叔父がよく口ずさんでいたハワイ王朝最後の女王だったリリウオカラニが書いた曲「サノエ」を唄う。亡くなった父と幼馴染だった僧がやってきて父の三回忌が始まる。僧は旧家の縁側に座った長男をみて「縁」にまつわる法話を始める。