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まーやの小さな演劇祭 公演前インタビュー

2018年10月7日(日)~8日(月・祝)で行われる【第2回まーやの家の小さな演劇祭】の取材をしてまいりました。
2日間に渡って5つの団体がカフェで公演するという演劇祭はどういった演劇祭なのでしょうか?
実行委員長の高橋さんとカフェ「まーやの家」のオーナーの矢嶋さんにお話を聞いてきました!
公演の詳細については、下記の記事をご参照ください。

第2回まーやの家の小さな演劇祭

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p class=”indent-1″>鳴海:本日は【まーやの家の小さな演劇祭】の実行委員長で「やまねこ座」の代表でもある高橋幸良さんと、【まーやの家】のオーナーの矢嶋洋子さんにお話を伺います。今日はよろしくお願いいたします!
まず、お二人にお聞きしたいのが、去年の同じ時期に「まーやの小さな演劇祭」が行われました。「まーやの家」では以前から、カフェ公演を度々行っていましたが、「まーやの家の小さな演劇祭」という形で演劇祭を始めたのは、どのようなきっかっけがあったのでしょうか?




まーやの家の小さな演劇祭発足秘話

高橋:演劇祭に参加しているのは、基本的にまーやの家に来ていた人なんです。実行委員をしている曽根さんと劇団シブパの小菅さんがまーやの家でお茶を飲みながら「まーやの家で演劇したいね」という話をしていたのがきっかけです。その話に洋子さんも加わって、演劇祭をする話がどんどん進んでいきました。




矢嶋:たまたま、去年が「まーやの家」の15周年だったんですね。4月からいくつか催し物をしていて、その一環として演劇祭を開催しました。昨年のチラシには「まーやの家15周年記念」と書いてあったんですよね。

高橋:そうそう。一回だけで終わっちゃうかもしれないということで、チラシに「第一回」とつけるかどうか迷ったんですよ。だから去年のチラシには小っちゃく第一回って書いてあります(笑)。去年の演劇祭が終わってから、他の団体の方にも、また演劇祭をやりたいという強い気持ちがあり、第二回目を開催することにしました。

矢嶋:第一回目が終わった打ち上げの時にから「来年はどうしましょう?」という話になっていました。

去年の様子 ― 観劇だけじゃない楽しみ満載の演劇祭

鳴海:前回は、どのような形で演劇祭を行ったのですか?

矢嶋:昨年は4つの団体が公演をして、その他にお店の外ではお茶を提供する場所を作ったり、イベントスペースを作りました。

高橋:「まーやファミリー劇団」で使った大きな額があるんですけど、それを設置しておいて、「劇団ザ・マルクシアター」さんから借りてきた舞台衣装をお客さんが着て、写真撮影が出来るような場所を作りましたね。結構人気あったんですよ。なかなか滅多に衣装を着る機会なんてないですからね。

高橋:(下記の写真を出しながら)これがその額なんですけど。

鳴海:大きいし、結構しっかりしていますね!

高橋:まーやの家の机とか、椅子とか作ってくれた彫刻家の友達に作ってもらったんですけど、これは発泡スチロールで出来ているんですよ。

鳴海:えっ!? 木製にしか見えないです。

高橋:しっかりしてるでしょう。あとは演劇用品物販というのもやりました。演劇で使う小道具や劇団のTシャツなどを各劇団から持ってきてもらって、他にはないフリーマーケットをやりましたね。やまねこ座からは、照明に使うカラーフィルターやスポットライトを出しましたね。流石に売れませんでしたけど(笑)

鳴海:舞台用の灯体は流石に(笑)。私はちょっと欲しいですけど。楽しそうな催し物が沢山あったんですね。今回は2回目ということで、どういった劇団が出演されるんですか?

高橋:「人形劇団やまねこ座」も含めて、「まーやの家」を利用して演劇をやってくれていた劇団、「劇団シブパ」さんと「劇団空想列車」さん。そして「まーやファミリー劇団」という洋子さん主体のプロデュース劇団を加えた4団体が去年の演劇祭に参加して、それに加え、第二回目は「まーやの家」が中心となって活動している「しあわせ太鼓」のメンバーの中から「しあわせ太鼓劇団」という演劇のチームを結成し、合計5団体での演劇祭になります。

高橋さんは3つの団体の脚本を担当 - この公演のために書下ろした3作品

鳴海:今回のラインナップを見ると高橋さんが脚本を書かれた作品が多いように見受けられますね。

高橋:僕が書いているのは「特殊詐欺にご用心」と「地球人かもさん」と「扉を開けて」の3本ですね。この4月から6月の間に5本か6本を書き下ろしました。ひたすら脚本を書いている期間がありましたね(笑)。

鳴海:すごいですね。まーやファミリー劇団の「地球人かもさん」はどのようなお話なのですか?

高橋:僕の知り合いの「カモダさん」という実在の人物がいて、その人がモチーフになった作品です。去年、カモダさんが僕の所に来て、新しい名刺を作ったって、名刺を渡してくれたんです。その名刺を見たら「かもさん」って書いてあって、さらに、住所を見たら「地球」から始まっているんですよ。カモダさんに聞いたら「私は地球人のかもさんなんですよ」って自己紹介するそうなんです。この名刺を渡した時に「実は、私、地球育ちの地球生まれなんですよ」って言ったら、みんな一緒だから仲良くなれるというわけなんです。「違います」って方がいたら面白いし、そんな人に会ってみたいと話していたのを聞いて、「かもさん」でひと芝居作ってみたいと考えました。本人にも了解を取りましたよ(笑)。内容としては、コメディー調のファンタジーに作っているんですけど、SFのような部分もあります。昨年と同様、「まーやの店」という架空のお店が舞台になっていて、そこに入り浸っているUMA(未確認生物)専門雑誌の編集者が、怪しい「かもさん」をUMAだと思って取材をするという話です。

鳴海:なるほど、題材からしてもう面白そうです!「しあわせ太鼓劇団」はどのような演目になるのですか?

高橋:この話は、大きな扉の中で引きこもっている青年がいて、洋子さん扮するケースワーカーが「扉を開けてください」とやって来るっていう話ですね。青年が扉を開けるまでの話になります。始めは、和太鼓を効果音のように使うのですが、最終的には和太鼓を心情表現として使えればなと考えています。ちょっと真面目な話ですね。この「扉を開けて」は太鼓と芝居がしっかりと融合するとすれば、中々見たことの無い、珍しい芝居になるのではないかと思っています。元々は「風の音が聞こえきませんか(小笠原慧 著)」というケースワーカーと引きこもっている青年との恋物語を描いた小説を基にしています。その小説は、主人公の青年目線で話が進行するけれど、小説には書かれていない扉の外にいるケースワーカーの心情とか様子を想像して書いてみました。

矢嶋:まだ、この作品は完成していませんが、ケースワーカーの役をやっていて、音として太鼓が入っていることでより一層感情を表現しやすいような気がしますね。太鼓と芝居が上手く噛みあったら面白いものができてくると思います。

人形劇的表現を用いた演劇 - ヨーロッパの最前線の演劇を取り入れる

鳴海:続いて、やまねこ座の「特殊詐欺にご用心」はどのようなものでしょうか?

高橋:「やまねこ座さんは今回啓発ものやるんですか?」と聞かれたのですが、違うんです(笑)。啓発ものではないです。元々会話練習用に描いた台本なのですが、それに人形劇的な要素を入れた公演に挑戦してみようと思って取り組んでいます。内容としては、舞台の前方では特殊詐欺の会話劇が進行していて、それがひっくり返るんですけど、僕らは人形劇団なので、人形劇的な要素を入れます。前の会話劇とは関係あるような無いような絵が後ろに出るという、ちょっとわかりにくいお芝居になっています。

鳴海:人形劇的な要素ってどのような要素ですか? 人形が動いているというイメージが出来るのですが。

高橋:全然違います(笑)。日本で人形劇というと人形がお芝居をしてるイメージがあり、演劇とは少し離れた位置にいますが、ヨーロッパで「人形劇」とは前衛的な演劇の事を指すんです。ヨーロッパの人達には「人形劇的表現」という感性があって、普通に会話劇をしていても、それがオルタナティブ(前衛的)であると、「今日のは人形劇的だったね」というんですよ。

鳴海:日本の人形劇とは全然違うんですね。

高橋:「フィギュアシアター」っていう人間の肉体から声から人形から光まで、舞台上にあるありとあらゆるものを使って表現をするという劇場があったり、大学には人形劇的表現を専門に勉強する学科があったりと、ヨーロッパの人たちは「人形劇的表現」に積極的に取り組んでいます。日本では、あまり知られていない世界かもしれません。僕らはそういったヨーロッパの人形劇的表現を取り入れたものを、大人向けの舞台としてやりたいと考えています。人形が全くでないということではありませんが、日本で言ういわゆる【人形劇】にはならないと思います。

鳴海:なるほど。いわゆる人形劇だと思ってみたら度肝を抜かれそうですね(笑)。

矢嶋:以前に、チェコに行って人形劇フェスティバルに参加させていただいたことがあるんです。そこで人形劇を見て、本当に表現って限りなく自由で、限りなく無限の世界が広がっていました。私たち日本人の感覚だと、人形がいなければいけないという固定概念に捉えられていますが、その枠がすべて外れていて、私はカルチャーショックを受けました。あの世界を見てから物の見方が代わりましたね。

高橋:チェコの人形劇フェスティバルに参加するまでは、いかに人形を生きたように見せるかと考えていましたが、表現の方法がだいぶ変わってきました。チェコでやっているような斬新なものが出来るかわかりませんが、この「特殊詐欺にご用心」では自分達でできる人形劇的表現がどこまでできるのか試してみています

鳴海:これは楽しみですね。何となく想像できる部分と、全く想像できない部分があって、実際に舞台を見てみないとわからないですね。

高橋:最初考えていたのは、前側では特殊詐欺のやり取りがあって、その後ろでは、つるはしをもってトンネルを掘ってる様子を表現しようと思っていたんですよ。実際やろうと思ったら、それはあまりにも訳が分からなくなってしまうので、前側でやっていることに少し関連付けようと稽古を始めてから変えました。

鳴海:見ているお客さんとしては、前で繰り広げられている会話劇を見つつ、後側でやっている演技で色々想像を膨らませていくという見方になるのですか?

高橋:お客さんはどっちを見ていいかわからなくなると思うんですよ。演出をしている自分としてどちらを見て欲しいかというと、よくわからないんですよね。ちゃんと見なくてもいいんじゃないかって(笑)。前側の会話劇がしっかりしていれば、それでいいかなと思っています。後ろで変なことをやってたけど、あれは何だったんだろうね。ってなると思います。やってみないとわからないし、やってる側としても分かりやすくしたくなるので、前側の会話劇につられちゃうかもしれません。そこまで革新的にオルタナティブな演劇を作れないので、その程度の所になると思うんですけど、僕は面白いと思って作っています。




鳴海:楽しそうな公演が盛り沢山で、とても楽しみです! 演劇祭では野外でもイベントを行うと聞きました。ふらっと来たお客さんも外のイベントには参加出来ますか?

魅力がたくさん - 室内だけのイベントじゃない!

高橋:そうですね。8日はランチタイムを設けているので、軽食を出せるかな。食べ物も売っています。

鳴海:どのようなものを出されるのですか?

矢嶋:去年はデザートとかいっぱい作りました。今回も去年と同じように、外にテントを立てて、お茶とお菓子とゆったりできるようなものを販売しようかなと思っています。ランチでは、普段「まーやの家」で提供しているカレーを出したいと思っています。

高橋:あとは、外で日替わりで演奏してもらったり、ショート劇場をしたりしています。これはいつやるかとチラシには明記していません。たまたま来た人が見れたらラッキーという風に考えています(笑)。気を付けていただきたいのは、外でのイベントはチケットがなくても大丈夫なのですが、中でやっている公演に関しては事前に予約をしていただかないと入場が厳しいかもしれません。

矢嶋:外に総合受付がありますので、席に余裕がありましたら、当日、受付して入ることは出来ます。

高橋:なにぶん用意出来る座席数が少ないですから、昨年の様子を見ていますと、公演によって座席に空きがあったら入れますけど基本的には予約していただかないと中には入場できない可能性が高いですね。

鳴海:まーやの家の小さな演劇祭に興味を持たれている方は早めに予約をした方がいいですね!チケットの買い方は、チラシに書いてありますが、劇団シブパさんにお電話もしくはメールでお問い合わせいただくと。これは、当日どのような手順になるのでしょうか?

チケットの扱い - 満席注意

高橋:チケットを申し込んでおくと、当日の総合受付で予約したチケットをまとめてお金と交換になります。

鳴海:例えば「やまねこ座」だけを見に来て、チケットの予約をそれしかしていないのだけれど、演劇祭を見て楽しくなって他の公演も見てみたいという方は、当日にチケット購入は出来ますか?

高橋:その公演の席が空いていればとなりますね。

矢嶋:満員になる公演があったため、去年の反省から、総合受付で各公演の空き状況を常に把握出来るようにしましたので、総合受付で確認をしてみてください。

高橋:演劇祭の説明を添付して返信できるので、メールで予約をしてくれると助かります。




鳴海:最後に来ていただくお客様におひと言ずつお願いします。

最後に - まーやの演劇祭はみんなで作っていく

高橋:とにかく少人数の空間で、役者との距離も近いですし、この演劇祭を一緒に盛り上げて頂ければと思っています。かなり自分たちの身近なものとしてかかわってもらえるといいなと思っています。我々は我々でお客さんが楽しめるような企画を考えていますけれども、お客さんからも「こうしたら楽しいかも」って提案してもらえると嬉しいです。まだ2回目の演劇祭なので、そういった意見が今後の活動に欠かせませんので、どうぞよろしくお願いします。

矢嶋:まーやの家のお部屋であったりお庭であったりというこの空間すべてをひっくるめて、ゆったりした時間を過ごしていただきながら、一緒に面白がるみたいな一日をともにに過ごせればなと思います。ちょっとした秋のお祭りのような感覚で来てもらえればと思います。

鳴海:ありがとうございました!

日程も近づいてきて、とても楽しみです。
この他にも、もっと詳しい人形劇的表現の話や、20年以上前の群馬の演劇界のお話など、非常に興味深い話をお聞きすることができました。その話はまたいずれ記事に出来たらと思います。

この記事を見てご興味を持たれた方、そして、予約がまだの方は、ぜひ早めに予約のメールを!

【取り扱い】

電話予約:劇団シブパ(090-1657-0335) ※留守番電話にて対応いたします。

メール予約:劇団シブパ(shibupa@shibupa.sakura.ne.jp)

※メールまたはお電話でのお申し込みの際は【氏名・電話番号・希望日・希望公演名・希望枚数】をお伝えください。折り返し、演劇祭実行委員より確認のご連絡を致します。チケットは当日総合受付にて清算のうえ、お願い致します。

まーやの家については下記のページで詳しく知ることができますので、よろしかったらランチやカフェタイムにもお立ち寄りください!

ぐんらぼページ

スタッフブログ

まーやの家

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p style=”text-align: center;”>〒379-2142
群馬県前橋市
亀里町1209
tel/027-265-5336

<

p style=”text-align: center;”>*open*
11:30~18:00
※ランチは平日の
11:30~14:00
(ご予約可)

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月曜日、第三火曜日

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