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天才ヒポザウルス・プロデュース「バンデラスと憂鬱な珈琲」直撃取材!!

今週から桐生で始まった有鄰館演劇祭(https://www.facebook.com/yuurinkan.engekisai/)参加作品である天才ヒポザウルス・プロデュース「バンデラスと憂鬱な珈琲」を取材してきました。2年に一度開催される有鄰館演劇祭では、プロデュース公演として「天才ヒポザウルス」に所属していない役者と一緒に作品を作ります。
2年前に上演されたプロデュース公演「大洗にも星はふるなり」と同様「勇者ヨシヒコシリーズ」「今日から俺は!!」などの脚本・演出を手掛ける福田雄一さんの作品を選択した理由などを伺ってきました。

過去の取材記事はこちらから↓

天才ヒポザウルス 「三人の姉妹」稽古場取材!!




戯曲概要

「バンデラスと憂鬱な珈琲」

2009年11月に世田谷パブリックシアターで初演。演出は、伝説のお笑い集団「ジョビジョバ」活動休止後、俳優・脚本家として活動するマギー。脚本は、数々の人気番組を手がけ、独自の“笑い”を追及してきた福田雄一と、マギーの2人が共同執筆した。この時の出演者は堤真一、高橋克実、小池栄子など。

あらすじ

男の名はバンデラス。米国随一のネゴシエーター(交渉人)。彼の使命は、12時間後に迫ったロシアとの開戦を阻止すること。しかし、国家の危機に潜むごく個人的な思惑、勘違い、そして行く手を阻む悪気のない人々が現れて…。はたしてバンデラスは地球存亡の危機を阻止できるのか!?”荒唐無稽で破天荒なシチュエーション”の中で大真面目に演じる彼らの弾けぶり、今まで見たことのない超ド級の笑いが待っている!!(出典先:wowow)

演出を務める天才ヒポザウルスの主宰・田沼孝之さんにお話を伺いました。

その場限りの「プロデュース劇団」 ― 新しい出会いと発見 ―

―田沼さんよろしくお願いします。
まず、今回プロデュースということで本公演と変わってくるとは思いますが、どんな違いがありますか?
田沼:うちが勝手に使い分けているだけなんですけど、本公演では、私の書いた脚本でオリジナル作品を上演し、既成の戯曲をやるときは「プロデュース公演」と分けているんです。「ヒポザウルス」という名前は使っていますが、あくまでもその場限りの「プロデュース劇団」となっています。今回の出演者でいうと「ヒポザウルス」の人間は私だけで、ほかの出演者は別の劇団に所属しています。

―今回の公演では、田沼さんと初めて芝居を作る方もいらっしゃいますよね?
田沼:東野は劇団らんに関わっているので、よく知ってはいるのですが、舞台上でしっかり関わるのは今回が初めてですね。あとは、初めて会った子が2人(溝口・添田)ですね。あまり交わったことがない人たちが集まったので、どうなるのかなぁって思っていました。

―実際に稽古が進んでいく中で、その方たちの認識が変わる事はありました?
田沼:彼らが舞台に立っているのを見たことはあるのですが、どんな演技をするのかは、ほとんど知りませんでした。もちろん経験も多くないってこともあって、吸収が早いんですよ。目に見えて良くなっていくんですね。溝口は今回で2回目くらいの舞台なんですけど、結果的にいちばんキャラクターとの相性が良かったなって思うくらいなんですよ。経験が浅いから、セリフの多い役を演じ切られるのかなと思っていたんですけど、いまとなっては「うちではこの役は溝口しか出来ない」ってくらいの感じになりました。いい意味で計算外でした。




共感したお笑いの感性 -でもオリジナルの真似はしない-

―2年前に行われたプロデュース公演「大洗にも星はふるなり」と同じ福田雄一さんの作品を選んだのは、どのような理由があったのでしょう?
田沼:福田さんは栃木県小山市出身の方で、多分、僕と同い年男ですよ。なので、年代的なものがすごく合うというところと、僕も福田さんも「モンティ・パイソン」がすごく好きなんです。
それと、福田さんが脚本を書いている「勇者ヨシヒコ」を見たり、福田さんの戯曲を読んでいると、面白いと思うポイントが私と同じなんですね。それなので、前回同様に福田さんの脚本を選んだんです。

福田 雄一(ふくだ ゆういち、1968年7月12日 – )
日本の劇作家、放送作家、ドラマ・映画脚本家、舞台・ドラマ演出家、映画監督。劇団「ブラボーカンパニー」座長。コメディ作品を次々に生み出し、ムロツヨシ、佐藤二朗といった個性派俳優を抜擢し、「コメディの奇才」と称された。血液型A型。

Wikipediaより

―戯曲の内容は?
田沼:大まかなあらすじは、舞台がアメリカになります。アメリカ空軍の元帥がいるんですけど、その人がある秘密を隠蔽するため、ロシアに戦争を仕掛けようとするんです。それを聞いた大統領が、戦争をやめるよう、ネゴシエーター(交渉人)である主人公のバンデラスに元帥を説得してくれと頼むんです。核弾頭を積んだ飛行機がロシアに到着するまでに、12時間しかないということで、バンデラスは慌てて元帥の元に行こうとするんですけど、そうすると行く先々でまったく悪気のない人達が現れ、バンデラスの貴重な時間を奪っていきます。ほとんどが恋愛相談なんですよ。その恋愛相談に米軍イチと言われる交渉術を駆使して、最後にどうなるのかというコメディーです。

―いろんな人がお笑いの要素を持ってきて、邪魔をするんですね。
田沼:そうなんです。コントの集合体みたいな作品です。現れる人たちは、邪魔をしているつもりはないんです。悪気は一切なく、主人公のバンデラスが巻き込まれていく。本人たちはバンデラスを止めようとか、作戦を阻止しようという意思は全くなくて…。だからこそ大変になっていく。かといってバンデラスは極秘任務に立ち向かっているわけですから、一般の人に任務の内容を言うわけにもいかない。というところがコメディーですね。この戯曲は役者の力に依存しているところがあるので、難しいだろうなと思ったんですけど、やってみて改めて難しいなと思いました。自分で書いた脚本を含めてもトップクラスに難しくて、思うようにいかなかったりとか…。

―難しいというのは?
田沼:オリジナルの上演を見てみると、演じている役者さんのキャラクター性とかが出ているんですけど、それをコピーしちゃうとただの真似になっちゃいます。真似ではないように作るにはどうやったら面白いんだろうかを探っているので本当に難しいですね。

―答えは出始めましたか?
田沼:みんなが考える「面白いところ」を信じてお客さんに出す。役者、その人その人で個性もあります。その個性がうまく役と合ってくればいいんだろうなと思っています。本番前でも「こんなキャラクターにしてみようか」とかいろいろ試しています。いまでもキャラクターを固定せずに変えている部分がありますね。

―役者さんはその演出の変化に対応されているんですか?
田沼:演出の内容に従ってチャレンジしてくれるので、全部じゃなくてもいくつか面白いところが出てくるので、それを採用したり、「やっぱり前の方が面白かったね」というのもあり、試行錯誤しながら作っています。

―最後に注目して欲しいポイントは?
田沼:ユニットなので、ふだんのヒポザウルスとはカラーが違いますが、基本的にはお笑いです。作家の福田さんもちらっと言っているのですが、この作品は「何も残らない芝居」にしたい。芝居を観終わった後に「あー、楽しかった」とだけ言ってもらえる、そういうエンターテイメントでいいのかなと思っています。単純に笑いに来てほしいんです。笑いの感性的にも共感している人の作品なので、うちっぽい感じがでるのかな。そんなところを見て下さい。

―どうもありがとうございました!



編集より

稽古を見学していると、バンデラス役の松本拓さんが登場人物全員に面白いように振り回されている様子は、おかしくて仕方がありません!
オリジナル上演でも役者のキャラクター性と、演じるキャラクターが、絶妙にマッチしていたようですが、「天才ヒポザウルス」でもそれは遜色なく、舞台上の濃い登場人物達がそれぞれの役者に合っていました。

稽古中にカメラで写真を撮っている間でも、思い切り噴き出してしまうようなシーンが山ほど!

「ネゴシエーターのバンデラスがただひたすら振り回されていく」言葉にしてしまうと単純な脚本ですが、そこに「あり得そうであり得ない!」というシチュエーション大真面目な登場人物のユニゾンが笑いの重要な要素になっていました。

とにかく、目の前に起こっていることが「可笑しい」と思ったら素直に笑う楽しいお芝居だと思います。

今週末はぜひ、桐生有鄰館へ足をお運びください!

スライドショーには JavaScript が必要です。


天才ヒポザウルス・プロデュース
「バンデラスと憂鬱な珈琲」

あらすじ
アメリカ空軍元帥のダズラーは、とある秘密を隠蔽するために、事もあろうかロシアへ戦争を仕掛けようとする。その事を知ったアメリカ大統領は、空軍随一のネゴシエーターであるデイヴィット・バンデラスに、ダズラーを説得するよう指令を出す。与えられた時間は、たったの12時間。ダズラーの元へ急ぐバンデラスの前には「悪気のない人々」が立ちはだかり、その行く手を阻む。果たして、バンデラスは12時間以内にダズラーの元に辿り着き、説得できるのだろうか・・・。

公演日
9月21日(土)18:30
9月22日(日)14:00

※開場は開演の30分前です。
※上演時間:約1時間40分

会場

桐生市・有鄰館煉瓦蔵
群馬県桐生市本町2丁目6-32
TEL:0277-46-4144

チケット
前売:一般1,200円、中高生700円
当日:一般1,400円、中高生900円
(全席自由・税込)

★セブンイレブンで発券できる「カンフェティ」からのお申し込みはコチラ
https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=53120&

★当日、受付でお取り置きのお申し込みはコチラ
https://www.hippozaurus.com/blank-3




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