高崎経済大学演劇研究会【一人じゃ嫌なんです】公演前インタビュー -初めて尽くしでも楽しい舞台づくり-
今回は、高崎経済大学演劇研究会の文化祭公演です!
夏公演が終わり、サークルの半分以上を占めていた3年生が引退し、新体制となった高崎経済大学演劇研究会のインタビューをしてきました。
1年生ながら脚本と演出に抜擢された丹野さんと役者の倉島さんに話を伺いました!
鳴海:高崎経済大学演劇研究会の文化祭公演【一人じゃ嫌なんです】の演出さんと役者さん。まずは、自己紹介からお願いいたします。
丹野:経済大学1年で、今回、脚本と演出を務めている、丹野雄飛(たんのゆうひ)です。
倉島:同じく1年、今回は役者を務めている、倉島耕平(くらしまこうへい)といいます。よろしくお願いいたします。
ネタばれ厳禁!? -話の展開を考えながら見て欲しい舞台-
鳴海:今回、公演内容は一切公表されていません。チラシにも内容を推察できるものがありませんが、どのような思惑があるのでしょうか?
丹野:今回の公演は、お客さんに常に目新しいものを提供したいと思って作っています。自分が初めて脚本を作ったというのもあり、お客さんを飽きさせない為にはどうしたらいいか考えた結果、公演の内容を一切出さず、お客さんにどう展開するか予想しながら見てもらう形式をとることにしました。
鳴海:【一人じゃ嫌なんです】というタイトルだけで、色々想像が膨らみそうですね。高崎経済大学演劇研究会には「1年生は脚本を書く」という伝統があると聞いたのですが、今回書いてみていかがでした?
1年生は全員脚本を書いて提出 -サークルの伝統に込められた意味とは?-
丹野:本当に難しかったです。いちから話を作っていくことに難しさを感じました。展開は思いつかないし、セリフもなかなか出てこない。何もかもが難しかったです。最初に書いたものがうまく進まなくて、全部書き直したので、結局2週間くらいで全部書いたことになります。これに関しては彼(倉島)もそうでした。
倉島:自分も物語のあらすじや展開を考えているうちに時間が無くなってしまい、ちゃんと書き始めたのは締め切りの2週間前でした。
鳴海:私も経験ありますが、1から脚本を書くのって結構大変ですよね。お二人とも脚本をどのような形から書き始めましたか?
丹野:自分は、まず設定を作って、冒頭から書き始めました。後はその場の流れに沿って終わりまで。プロットは作らないで、その場で浮かんだ発想を盛り込みました。
倉島:自分は、頭の中で結末まで考えて書き始めました。冒頭で苦労したので冒頭を最後に書きました。どうしても、導入部分が上手くいかなくて。主人公の登場の仕方を奇抜にしたらどうだろうかなど悩みました。
鳴海:脚本を書く上で、今まで気付かなかった事に気付いたってありましたか?
丹野:自分は夏公演の時に役者として参加したのですが、夏公演の脚本ってホント面白かったんだなと思いました。演出の田代先輩は役者の配置や話しの盛り上げ方もちゃんと計算されてたんだと、自分が脚本や演出をしてみて、痛いほどわかりました。
前回の公演の際のインタビュー記事はこちら↓
鳴海:1年生が脚本を書くことが伝統になっているのは、おそらく演劇の脚本の書き方を学ぶだけではなく、脚本を書くことを通して、演出や役者、照明や音響など、舞台上で起きているすべてを見渡せるからだと思います。1年生には脚本を書きながら舞台全部の勉強をしているのではないでしょうか?
丹野:まさにその通りだと思います! 脚本を書いていると登場人物の心情を考えたり、どんな音が欲しいかと考えるので、疑似的に各部署の仕事に関われたような気がします。
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p class=”indent-1″>鳴海:一度、脚本を書く経験をしておくと、その後の舞台への取り組み方が変わりそうですね。
丹野さんは脚本を書く上で影響を受けた作品はありますか?
丹野:書いている際に、突然頭の中に思い浮かんだ設定がありました。それで脚本を書いてみたところ、その設定は「昔、放送されていたドラマの設定に似ている」と、稽古中にサークルのメンバーから言われました。確かにそのドラマは見たことがあって、恐らくそのドラマに影響を受けたのだと思います。ドラマ自体はすっかり忘れていたのですが、頭の片隅にあったドラマの設定を引っ張り出して書いていました。
鳴海:【一人じゃ嫌なんです】を見るときは、どのドラマに影響を受けているか考えながら見ると楽しいかもしれませんね。
丹野:どのドラマを参考にしたかわかってもらえると光栄です。
みんな演出も役者もほとんど初めての役職 -悪戦苦闘しながらも楽しみを見出す-
鳴海:脚本の話はこれくらいにして、丹野さんは演出は初めてですよね。いかがですか?
丹野:本当に難しい限りです。先輩から「演劇の成功の8割を占めるのは演出だ」と言われて、責任を感じますし、1年生なのに全体を束ねていかないといけないとか、現在進行形で悪戦苦闘していますね。
鳴海:一番悩んだことどこですか?
丹野:オーディションです。脚本を書いているときは、まさか自分がなるとは思っていなかったので、演出になってオーディションで役者を決めるとなった時がいちばん悩みました。夏公演は20人くらいいたのですが、今回は、3年生が引退して10人ほどになってしまいました。人数が少ないので、役職も兼ねてもらわなければならず、その人の希望や事情を鑑みながら配役や役職を決めるのに時間を要しました。時間をかけた分、今決まっている役職はこのメンバーでの最適解だと思います。
鳴海:と言われていますが? 役者をやっていて、丹野さんの演出する姿はいかがですか?
倉島:今は比較的穏やかですが、オーディションの直後とか顔が引きつっていましたよ。「大丈夫か?」と思いつつも何とかやってこれています。でも、ほんと頼りになる存在ですし。演出を経て成長している感じがしますね。
鳴海:倉島さんは今回の役を貰ってどう思いました? 内容に触れないようにお願いします(笑)。
倉島:セリフの言い方とか自分に合っているなと思いました。これは大丈夫?
丹野:まだ大丈夫。危なくなったらストップ掛けるから(笑)。
倉島:序盤と終盤では私の役が持っている感情が違って、口調も変わって来るので、そういうところを意識したほうがいいかなと思いました。
鳴海:今回、倉島さんは初めての役者ですよね?
倉島:前回は音響でした。役者になって初めてわかることがたくさんあります。今まで見ている側だったので、「こここうしたらいいんじゃない?」とか気軽に言えました。ただ突っ立ってセリフを言うだけなら、まだ何とかなる気がするんですけど、それに動きもつけなくてはいけなくて、聞かせるのではなく魅せなくてはいけないので、苦労しています。
鳴海:わかります。頭と身体が連動してくれないんですよね。
倉島:あと、動きの癖があって、何か思いついたときに、右手をグーにして叩いちゃうんですよ。いつも「また癖が出てるぞー!」「同じ動きだぞ!」って言われています(笑)。それが直ったと思ったら、両手を固定しちゃって顔が強張ってるんですよ。役者になって、他の人に見てもらってやっと癖に気づきましたね。
鳴海:自分でやってみて初めて気づくことってたくさんありますよね。今回は特に初めて尽くしですし。
丹野:今回は役者も全員初めてですし、演出も初めてですし、舞台監督も初めてです。音響も大道具もデザインも初めてですね。
鳴海:3年生が抜けた後、新体制で心機一転、頑張っていこうという感じですね。
丹野:偉大な3年生の先輩たちが抜けたあと、各々初めてのポジションにつき、本当に新体制ですね。みんなが一丸とならないと進まないです。何もない状態からのスタートだったので、全体が少しずつ良くなっていく様子を見ていると楽しくて仕方がないです。
鳴海:公演まであと一週間ですが、完成度的にはいかがですか?
丹野:今のところ、かろうじて及第点ですが、残りの日数で少しでも良くします! きっと良いものを見せられると思います。少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ来ていただきたいです!よろしくお願いいたします!
鳴海:ありがとうございました! 初めて尽くしの公演で大変なことがたくさんだとは思いますが、ぜひ、良い舞台を作ってください!
この記事を見て公演に興味を持っていただいた方はぜひ、文化祭公演に足をお運びください!
詳細はこのページよりご覧いただけます!
また、高崎経済大学の文化祭は
高崎経済大学 学園祭 三扇祭
上記のリンクより詳細を確認できます。
毎年有名な方がいらっしゃっていますが、今年は「ANZEN漫才」が来るそうですよ!
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