【群馬県立女子大学演激部】公演後インタビュー後編
インタビュー記事第二弾は7/14~16に【怪盗ジガー】を上演した群馬県立女子大学演激部さんにお邪魔してきました。
今回の舞台では3年生の先輩達があまり参加できず、2年生が中心となって公演の運営に尽力したそうです。
活躍したその2年生5名に公演を終えての感想や公演中の裏話を聞いてきました!
公演の概要はこちらにございますので、よかったらご確認くださいませ。
残念ながら公演を見られなかった方のためにあらすじを
平成の石川五右衛門、怪盗ジガー。
彼に盗めないものはない。
今宵怪盗ジガーの捕物はまさかのアレ…!?
怪盗ジガーとは何者なのか?
「あたし、わかっちゃったかもしれない!」
ジガーと今宵の捕物をめぐる、SF疾走劇!
前編はこちらから
飛んだセリフに、ナイスなカバー!!
ノヴァ代 :そう!あれ、言っていい!? にこごりが大事なセリフを飛ばしたんですよ。汽車が脱線する下りの時に車掌さんが出てきて電車が止まらない事を伝えるセリフがあって、その車掌さんのセリフに対して警察が「なんだって!?」って言って明日香が「このあとカーブよね!」の後に私が「間違いなく脱線するぞ」って言うんです。私の前の前のセリフ、警察がセリフを飛ばしちゃったんですよ。で、無言の間ができたんです。私が「明日香セリフを言って!」って思ったんですけど、明日香も言わなくて、私が突然「間違いなく脱線するぞ」って言うのはおかしかったので、「このあとカーブだ!脱線するぞ!」って全員のセリフを私が言った(笑)
車掌 :ブレーキの整備不良みたいで……止まらないどころかどんどん加速してるんです!
警察(精霊のにこごり) :な、なんだって!?(← ここが抜けた)
明日香 :このあと、カーブよね。
ジガー(ノヴァ代) :ああ……間違いなく脱線する。
精霊のにこごり:ほんとに申し訳なかったー。
山村(さんそん):見ながら「ノヴァ、まじナイス!」って思った(笑)
ノヴァ代 :私もナイスって思ったよ(笑)
くつした2号 :こういうのほんとはほんとにない方がいいんですけど、そういうところにカバーが出来るようになったのもこの一年間で成長したよね。去年の公演とかは私も出てたりしたんですけど、セリフを飛ばしたりしててね。先輩たちにフォローばっかりしてもらってた。
ノヴァ代 :フォローするようじゃないんですけど、私も初日に1個後のセリフを喋っちゃって、それは明日香にカバーしてもらいました(笑)。だから、今回2年がセリフ飛ばしまくったね。
精霊のにこごり:申し訳なさが。。。
ノヴァ代 :私とにこごりがセリフを飛ばしたのを1年生がカバーしてくれるところが多かったので頭が上がらないというか。
精霊のにこごり:まだまだですねーって。ほんとに。
ノヴァ代 :「1年間やってきたからって調子のんじゃねえぞ」って(笑)
山村(さんそん):夏公演でカバーできるなんて、一年生すごいよなー。
一同 :まあ、まあ、まあ(笑)
ノヴァ代 :ミスでどたどたしないで続けられてよかったよ。多分結構間が開いたよね。
鳴海 :たぶん、私は千秋楽に見に行ったんですよ。だからセリフが飛んだの見たはずなんですよ。でも、見てる側からしたらそんなに違和感なく見れましたよ。
アンゴラ椿 :でも、間違いなく飛んだって顔はしてたよ(笑)。
精霊のにこごり:ぶっちゃけ、私、あの場ではセリフが飛んだことに気づいていなくて(笑)
アンゴラ椿 :違う違う。私はあの時ドアマンしてたから、にこのことは見えてなくて、僧侶(1年生)の「飛んだ!」って顔が見えたの。それで無言の間があって、すかさずノヴァが入って、「ノヴァすげー!」ってなった。
精霊のにこごり:まず、そもそもセリフが飛んだことに本人が気づかないのは問題あるっしょ。(笑)
ノヴァ代 :それはあるよ。あるあるじゃない?自分はちゃんとセリフを言ったと思ってるのに変な間があいて、相手にセリフを早く言えよって思ってたら自分だった!みたいなね。あるよね。
精霊のにこごり:袖に捌けてから「さっきの私だった」って言うのに気づいて。ノヴァごめんって思った記憶が。
くつした2号 :いまなら笑い話かな。もうちょっと経ったらもっと笑い話になるかな。
こだわりのシーンの秘策 ー迷ったら演激部名物「コレクション開催!」
鳴海 :今回、「私はここにこだわりました!」ってところあります?
くつした2号 :クライマックスのジガーが一人でみんなを暴走列車から出るように言って「行くぞ!」って未来に行くシーンは、動作とか細かく言っちゃったよね。あそこすごくタイミングを合わせてもらったらかっこよくなっててすごく好きだったので。
ノヴァ代 :あそこは私としてもすごくこだわったというか…
くつした2号 :そこを最初から大切にしたいじゃないですけど。
ノヴァ代 :配役が決まって、台本の読みが始まった時に演出と舞監から「ジガーに空想の女を作って、その女を惚れさせるようなことをしてくれ」ってすごくハードルを上げられて、かっこいいジガーとポンコツなジガーをうまく使い分けていきたいなって思って、最後の未来へ行く装置を起動する所は音響のあおりとか照明のカットと関わって来るので、何度も練習して、やりすぎてよくわからなくなっちゃいました。演出もね(笑)。うちの部活では、わからなくなったところが出てくると、そのシーンを部員全員にやってもらう「コレクション開催!」って言うのをするんですね。今回そこはコレクション開催してないのか、その前のジガーが一回失敗するシーンとかは私がどうしたらいいかめっちゃ悩んで、「失敗コレクション開催します!」って裏方担当のアンゴラとか、演者をやったことない1年生も含めて全員に一回舞台に立ってもらって、それぞれが思うジガーをやってもらったんです。私は真ん中で見てて、いいシーンを「それ採用!」って(笑)。自分から出てくるものだけじゃなくて人のを見てると全然違うものがでてきたりすので、【失敗コレクション】はいろんなものの人の物を入れましたね。クライマックスのシーンもコレクションは開催しなかったけど、最初に自分が考えていたやり方とはだいぶ変わって、みんなのダメ出しや意見が入ったクライマックスシーンになったので、私も演出もこだわったシーンになったのかな。山村とかも道具はこだわったんじゃないの?
道具のこだわりも感じてほしい
山村(さんそん):道具で一番こだわったのは駅の看板かな。
ノヴァ代 :あっ、誰にも気づいてもらえなかったあの話しなよ!
くつした2号 :そうだよ!アンケートに不審者注意のポスターの事は書いてあったけど、看板の事は書いてなかった!
山村(さんそん):駅のシーンで後ろに駅名が書いてあった看板があったんですよ。名前に仕掛けがあって…。真ん中に一番大きく書いてあったのが「今町(きんまち)」って書いてあって、その横に「三頼(みより)」と「加古(かご)」って書いてあるんですね。あれはそれぞれの読み方を少し変えると「みらい」→「いま」→「かこ」になるんです。誰も気づいてくれなかった。。。
くつした2号 :わりと楽しい時期に考えてたよね。そういう風にするといいね。って言ってたのに誰にも気づいてもらえなかったね。。。
アンゴラ椿 :山村天才じゃね?「サスソン!(流石さんそん)」ってなってたのにね。
山村(さんそん):演出がOKくるかなって心配してたんだけど、本当にOKくれてびっくりした。
精霊のにこごり:文字もちゃんとレタリングしてもらって、めっちゃ凝って作ってくれたのでありがたかったです。
くつした2号 :どんどんこれからももっと大道具使う舞台も出てくると思うから。
ノヴァ代 :今回、ほとんど素舞台だったから、演出も大道具も難しいところだったと。あれだけ道具がない舞台はほとんどないです。
山村(さんそん):道具考えるのめっちゃ大変だった。
ノヴァ代 :舞台上に何もないから、シーン転換中とかずっと音響入れておこうとかあったし。
アンゴラ椿 :電車作るわけにもいかないからねー。
20代女子が演じる「おじさん」やクライマックスのイメージを伝える難しさ
ノヴァ代 :にこ(精霊のにこごり)は?警察はあれじゃろ。歳を取りましたって。
精霊のにこごり:ああ、警察は設定としておっさんってイメージがあって、今までやってきた役が年相応くらいの役が多かった感じで来てたので、「おっさんか、難しそうだな」って思ってやってて。演技するのもおっさん味を意識した立ち振る舞いとか喋り方も自分の中のイメージですけど、なんとなくおっさんっぽくやってみたりって。あと、当日のメイクも皺を意識して書いてみたりとかとかがこだわりと言えばこだわりになるのかなーと。女子大生からおじさんだからね。性別も年齢も違うって難しいと思いました。今までは男役も女役もどっちもやったことあるんですけど、歳はだいたい20代前後の役しかやってこなかったから、そういう意味では初めての役でもあり…。役を作るのが大変でしたね。最初は役が安定しなかったです。でも、みんなからダメ出しとか「こういうのいいんじゃない?」ってアドバイスもらったりしてあんな感じになりました。アンゴラは?
アンゴラ椿 :クライマックスのシーンの音響や照明の勝手がわからない一年生に厳しく言って「もっと煽って!」「もっと、もっと!」って言ってて。終始、切れ気味だった。いつもフィーリングでやっていることを伝えるのが難しいところでもあったんですけど、やらないと役者の人がかっこよくならないっていうか。私の中で「役者をかっこよくさせたいから音響照明をこうしたい」って言うのがあってそれを作り上げるにはどうしたらいいかを頑張って1年生に伝えたけど、伝わったのかなー。
ノヴァ代 :結果的に出来てたし、千秋楽とか。
くつした2号 :これからだよ。
山村(さんそん):まだ1回目だからね。
次回の公演 -1年生も2年生も自ら殻を破る
鳴海 :次回の公演の展望なんかを伺えれば。
くつした2号 :割と例年「去年やってた感じで」ってノリで来てて、先輩たちが脚本の本数とか時間とか決めて出してた感じで。もうちょい話し合いとかしたいなー。私だけじゃなくてみんなも思ってるかな。
ノヴァ代 :次回は文化祭公演なんですけど、文化祭でやるときは演劇に興味がない人も結構来てくださる公演で。うちの舞台では集客数が一番多い公演になるので、基本的にはいつも短編を何本かやって、今回の新人公演に出られなかった1年生も出る機会が増えるって公演になってるので、どうなるかわからないのですけど、例年通り役者が増える感じになると演出の仕方も難しくなるでしょうし。役者をやったことない1年生もたくさんいるのでこちらの指示も大変になるでしょうし。個人的には演者が一番楽しいので(笑)。オーディションで役をどうにか勝ち取りたいな考えています。次回は照明機材や音響機材が全然ない場所なので。
アンゴラ椿 :どうなるかわからないけど、演出に人を割けないから、それこそ自分たちで自分たちの殻をどう破れるかって。外から殻を破るのは難しいから、自分で破って欲しいかな。1年生もそうだし2年生も。
くつした2号 :文化祭公演はいくつかのグループに分かれてそれぞれが小人数で一つの短編をするんですよ。3年生の先輩も参加はしてくださると思うんですけど、たぶん少なくなっちゃう。先輩たちは私たち後輩と同じ人数がいるわけではないので、組む劇の内容、組むグループによっては1年生同士が二人で役者をしなくちゃとか、1年生と2年生がペアになるとかがあり得るかもしれない。まだ、何にも決まってないですけど。オーディションとかそういうのを大切にしていきたいし…。その辺もちゃんと話し合っていきたい。
ノヴァ代 :ご覧の通り、みんなが結構ストイックなんですよ。すごい、終わった直後から次の公演の事を考えていて、みんなストイックに反省点を出していってみたいな感じなので、今回の公演も無事には終わったんですけど、各々反省点がちゃんとあって。悪いところのほうが多いってくらい言ってるので。どうにか次の公演はお客さんもいっぱい来てくださるので、今回の公演よりお客さんに笑っていただいて、初めて舞台を見るお客さんもいるから、リピーターを出せるような、そんな演技だったり演出だったりを次回でやっていければなと。そのあとすぐ本公演なので。
山村(さんそん):怒涛の日程だもんね。
ノヴァ代 :文化祭もぜひ記事を見たら来て欲しいです!
精霊のにこごり:成長したい!いつまでも後輩気分じゃいられないし、後ろに後輩もいるし!
ノヴァ代 :あはは(笑) そんな感じで次回も頑張っていきましょうよ。
一同 :そうだね!
群馬県立女子大学演激部の2年生の皆様、どうもありがとうございました!
公演が終わって2日後にもかかわらず、次の舞台の改善方法を考えているのに驚きました。
また、演出の選出方法や気付かれなかった看板の話など、舞台を見ただけではわからない話を聞くことができて面白かったです。
なにより、2年生5人が普段から非常に仲が良く舞台を作っている様子が垣間見えました!
今後、先輩や後輩と一緒によりよい舞台を作ってくれることを期待しています。
この記事へのコメントはありません。