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「たんぽぽ娘」公演直前インタビュー

今回は、今週末日曜日に朗読劇「たんぽぽ娘」を上演する「なちゅらる」さんの稽古場にお邪魔してインタビューをさせていただきました。
なちゅらる代表の高橋さんと、次回公演の出演者3名の中から黒澤さんと等松さんに、昨年の秋に結成した「なちゅらる」誕生の理由や今週末に控えた公演の見所を聞いてきました!

鳴海:本日はお忙しい中インタビューを受けていただきありがとうございます! まずはみなさんの自己紹介からお願いいたします。

高橋:なちゅらるの代表の高橋見奈です。

黒澤:なちゅらるメンバーの黒澤結衣です。たんぽぽ娘でジュリーを演じます。

等松:同じく等松弘基(とうまつこうき)です。たんぽぽ娘でナレーター役をします。

なちゅらるとは?

鳴海:初めになちゅらるの活動についてお伺いします。どういった経緯で設立した団体なのでしょうか?

高橋:2017年の8月に行われた「まえばし市民ミュージカル」のメンバーの中でその後も表現活動を続けたいというメンバーを集めて去年の8月に【仕事、家庭、いろんな活動している中でも和気あいあいと自分がやりたいことを出来る限りやっていく】というコンセプトで「なちゅらる」を設立しました。表現活動に対して意欲的な方に声をかけて仲良くやっていこうという団体です。

鳴海:去年の秋にミュージカルライブを一本と、今年の6月と7月に朗読劇「たんぽぽ娘」を行い、今週日曜日の公演が千秋楽。ミュージカルライブの後に朗読劇というのは新しい挑戦だと思うのですが、朗読劇を上演しようと考えた理由は?

高橋:そもそも「なちゅらる」は市民ミュージカルで集まった団体です。ミュージカルを構成する要素って「歌」と「芝居」と「ダンス」なんですね。まずは、その要素の一つ「歌」を立ち上げのミュージカルライブで行い、次にお芝居をやってみようということで今回の朗読劇を考えました。

「役者の違いで芝居が変わる」実験的な試み

鳴海:ミュージカルが好きで集まった方たちが、ミュージカルを軸に色々な挑戦をされているのですね。今回6月、7月、8月すべて出演者が違うと伺いました。今回、出演者を変え3回に分けて上演しようと思ったのはどうしてですか?

高橋:みなさんそれぞれ個性があって、いろんな想いで芝居をしています。台本があって演出家がいて演出家の表現を体現するのが通常のお芝居だと思うんですけど、それぞれのメンバーが自分たちのやりたいようにやってみたらどうなるのか。役者が変わるとお芝居の内容がどのように変わるか自分たちで作ってみたかったっていうのがこの朗読劇「たんぽぽ娘」をしようと思った主旨です。

鳴海:ある意味実験的なお芝居の企画でもあるんですね。

高橋:そうですね。

鳴海:今回、「たんぽぽ娘」を選んだ理由は?

高橋:朗読劇って昔の日本の作家の作品だったり、詩の朗読が多いと思うのですが、SFとか外国の小説ってあまり取り上げられていないような気がするんですね。「それをやったらどうなるのだろう?」とかなり挑戦的な感じでやってみました。実はもともと結衣ちゃんが別団体で「たんぽぽ娘」の朗読劇をやったという前例があるので、初めて朗読劇に取り組むのには良いかと思い決めました。

演出担当は決めない ーそれぞれの解釈のちがいを学ぶ、楽しむ

鳴海:今回、黒澤さんは久しぶりに「たんぽぽ娘」に取り組んだと思います。黒澤さんの中で前回と今回の違いというのはどういったところでしょうか。

黒澤:「前回の殻を破る」という意味で大きな差があります。前回「たんぽぽ娘」を上演した演出さんの演出が一番いいと思っていて、それ以外の表現方法がないと思っていました。なので、読み方や登場人物の気持ちなどをキャストの3人で話し合っていくうちに「そういう解釈もあるのか!」という発見が沢山ありました。前回の時は経験も浅く、言われるがままに朗読をしていて、それが一番いい「たんぽぽ娘」だと思い込んでいたところが今回のスタートでした。私が前回の解釈のまま読んでいると他の2人から異なる解釈でやって欲しいと指摘を受けた時に対応できなくて非常に苦労しました。

鳴海:それは、高橋さんが考える「役者が変わるとお芝居の内容がどう変わるか」という趣旨にぴったりはまっていますね。

高橋:まさかの意外とハマりました(笑)。

黒澤:ハマりましたねー(笑)

鳴海:等松さんは今回のお芝居はどのような気持ちで臨んでいますか?

等松:いくつか演劇の公演に出させていただいていますが、朗読劇に出演するのは初めてなんです。今まで全部動きながら芝居をしてきたので、じっと座って台本を読む事にすごく違和感があります。その上、今回は朗読劇ならではのナレーション役を担当させていただいているので、気持ちの入れ方を模索しています。ナレーションと言っても無感情に演じるのは面白くなくて、いざ感情を入れようにも誰の気持ちになったらいいのか、どこに感情を入れていいのかとても迷っています。どうやったらお客さんにこの本の面白さが伝わるのか、身体では表現できない分どこを工夫したらいいのか悩みながら稽古をしています。

鳴海:ここまで迷走している等松さんを見るのは初めてかもしれません。

等松:今回は演出が誰かを決めてはいませんが、私が全体の動きを見ながら演技の交通整理をする役目もしています。初めて尽くしで色々考えることが沢山あります。2人の考えてきた演出が矛盾しないか、辻褄が合っているのか最終的な判断をしています。だけど、難しいですね。感覚的には理解していることを2人に言葉で伝えられなくて大変です。「注文が多い!」なんて言われちゃっています(笑)。

鳴海:「なちゅらる」では演出をする人はつけないのですか?

高橋先頭に立って演出をするっていう人はいません。キャストをする人で話し合って考えた演出を他のメンバーの前で披露します。それを見てアドバイスをするスタイルを取っています。私たちは経験が多くないので、それぞれのキャストが演技について、演出についてしっかり考えられるようにこの方法にしました。勉強しながら教えてもらいながらお芝居を作っています。私たちは「劇団」じゃなくて「色々をやる集団」で自分たちの幅を広げるために演出もみんながやっています。

最後に

鳴海:お客さんに見てもらいたい点をそれぞれお願いします。

高橋:今回3回の公演は、それぞれ全く違う演出になっているので、その辺りの違いを見ていただきたいです。私はこの3人のキャストの練習をみてびっくりしたので、みなさんも驚かれるのではないかと思います。今回初めていらっしゃる方には実力派の3人がどう融合していくのかを見ていただきたいです。過去の公演では小説通りのハートフルな物語そのままをお届けしたのですが、今回は若い実力のあるメンバーで、スマート且つ甘酸っぱく仕上がったのではないかなと思っています。

黒澤:そうそう! 「甘酸っぱくなるように頑張れ」と言われたので本番では甘酸っぱくなっていると思います(笑)。叱咤激励を受けながら、迷走をしながら、甘酸っぱさを模索しています。物語の中の4日目。ここに注目してください! 深くは言わないけど4日目です!

等松:一番迷走しているのは私です。これだけははっきり言えます(笑)。他の2人に注目してください。物語が進む中で登場人物2人の感情がどのように変化していくのか見ていただけると面白いと思います。

鳴海:どうもありがとうございました!公演見に行きますので、楽しみにしています!

 

 

 

私はこのインタビューのあとに通し稽古を見させていただきました。
黒澤さんの宣言通り甘酸っぱく、そして登場人物の心情が揺れ動いているのが見えました。
驚いたのは白い衣装を着た黒澤さんの頭になぜか麦わら帽子が見えたことです。
完全に個人的な錯覚なのですが、そう思わせるような清涼感があったように思います。

等松さんが通しのあと、ひたすらに悩んでいたので、もっともっといい朗読劇になるはずです!

気になる公演情報!
もし、この記事を読んで気になった方はぜひ夢スタジオへ行きましょう!

公演情報

開演日時
2018年 8月12日(日) 13:00

場 所
夢スタジオstudio10(群馬県前橋市元総社町2-24-2)

料 金
無料

高橋さん・黒澤さん・等松さん、そしてなちゅらるの皆さん。公演前のお忙しい中インタビューにご協力いただき本当にありがとうございました!

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