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高崎経済大学演劇研究会冬公演『ウェルカム アワー・ホーム』卒業記念対談!

今回は今週末に行われる公演、2019年高崎経済大学演劇研究会冬公演『ウェルカム アワー・ホーム』の脚本・役者を担当している櫻井薫(さくらいかおる)さんと演出の根岸直人(ねぎしなおと)さんをお招きしました。 4年生である2人にとっては今回の公演が卒業公演なので、気合を入れて公演準備に取り掛かっています。 今回、「卒業公演」というトークテーマを設け、お二人に対談をしていただきました! 『ウェルカム アワー・ホーム』にかける想い、演劇をはじめてからの成長、そして、卒業する先輩から後輩へのアドバイス等々、色々なお話が飛び交う対談となりました。 公演前でも、後でもお楽しみいただける内容になっているのではないかと思います!

卒業公演の進捗状況  -全力投球の卒業公演-

 

櫻井根岸さん、公演期間始まってみてどうですか?

根岸:やっぱり卒業公演ということで、いままでの公演も手を抜いてきたわけじゃないけど、卒業公演ってことで気合は入るよね。

櫻井:気合入っているよねー。去年の冬公演も長かったけど、我々が経験してきた中で公演時間が80分の舞台って長めの舞台だよね。12月後半から練習を始めて、全体の様子としてどうですか?

根岸:演劇をやっていてよくある事だと思うけど、最初に思っていた通りにはいかない事が多いね。

櫻井:前に4年生と1年生の安斎と大道具作業した時、4年生の男たちが真面目に作業はしているけど、すごくはしゃいでたよね。稽古中と同じくらい声が大きかった。4年の門田も言ってたけど、みんなで大道具やったり、芝居を作っていると楽しくなっちゃうよね。3年生の時の引退公演から演劇に触れてなかったから余計に。裏方のほうはどう?

根岸:裏方も今のところ順調かなって思ってる。

櫻井:2年の松尾とかもでっかい立て看板をすぐに作ってくれたり、脚本を書いた身としては後輩たちが協力してくれてありがたい限りだね。

根岸かおりん(櫻井)はこの脚本を書くときのモチベーションとかどうだった?

脚本誕生秘話 -後輩に感化、そして後輩と一緒に舞台を作るために-

 

櫻井:書き始めたのは去年の10月くらいからかな。頭の中で大学生ものの脚本を考えてたんだけど、後輩の書いた今年の夏公演の脚本がなんと高校生を主人公としたシチュエーションコメディだった。そこで、後輩と同じ学校ネタで勝負は出来ないと思ったので、毛色の違うシチュエーションコメディができないかなって思って書き始めたんだよ。それと大きい舞台で色んな役者を出したいっていうことを考えてた。サークルの人数が若干少なくなりつつある中で、一回くらいは後輩たちと大きい舞台でワイワイやりたいって思いがあってね。それだけを考えて脚本を作ったかな。お客さんが見ればわかるけど、話もすごくベタだし、落ち着くところに落ち着いたなっていう結末になっている。気を付けたのは敷居の高さは感じさせないようにするってことかな。軽い気持ちで舞台を見に来て「ちょっと面白かった」って思ってもらえるくらいの方がいいかなとタイトルも親しみやすいものを考えた。

根岸:その話を改めて聞くと、この台本を演出させてもらって幸せだなって思う。・・・というのもかおりんが言った「敷居を低く」とか「楽しんでもらう」っていうのが、個人的にも思っている事なので。好きな演劇団体で bpmっていうところがあるんだけど、そこの脚本・演出してる人が掲げているモットーがそういう感じで、演出する上で僕は参考にしてる。かおりんも近い感性を持っていた。

 

ハイブリッド・アミューズメント・ショウ bpmとは?
2007年に結成されたエンターテイメントユニット。メンバーには伊藤マサミ・猪狩敦子・菊地創・浅沼晋太郎がいる。都内でシチュエーション・コメディを中心とした舞台を製作している。

櫻井:じゃあ割と俺たち相性が良かったのかもしれないな。

根岸:だから、一緒にやっていてやりやすいとは思う。かおりんが台本を提出して、初めて読んだ時に素で笑っちゃったからね(笑)。

櫻井:おお、うれしい。

主役をダブルキャストに -オーディションで発見した新たな一面とは?-

 

根岸:コメディーを目指して書いて、最初のお客さんになる身内を笑わせられるってすごいことだと思う。台本を見た時点で笑えたから、芝居が面白くなるだろうって結構安心していた。逆に、この脚本の面白さを演出で壊さないように気を付けてる。僕の独断と偏見で主役をダブルキャストにしたっていうのもあるんだけど。

櫻井:話を聞いたときはびっくりしたよ。

根岸:これはかおりんにもオーディションが終わった後話したけど、役の解釈として二人とも合っているんだけど、二人は別の視点から主人公であるルーズという役を見せてくれて。それをオーディションでみて片方に絞ってしまうのはもったいないと思って、ダブルキャストにした。

櫻井:すっごい悩んでたもんね。ただでさえ人数が少ないもんね。

根岸:僕が台本を読んだ時に感じたルースという人は、基本は善人。ダブルキャストの一人である倉島は「いい人も悪い人もそれぞれ事情があるよね。」っていうある種、平等主義者。主観だけで物を見ない、人をあまり疑わない誠実な人物像が上手くハマっていて、もう一人の丹野の場合は、丹野の声色も影響しているけど、すこし逃げ腰で周りの状況に流されやすい人。ある種「事なかれ主義者」的な人物像だった。台本を初めて読んだ時は倉島のルースの方を想定していたんだけど、オーディションで丹野が持ってきたルースを見て、丹野をルースにしてもルースという人柄を説明できた。どっちもリアルだったんだよね。2人とも脚本に忠実に演じていたから二人とも主役に選んじゃった。

櫻井:でも、オーディションで配役が決まって、台本の読み合わせをやって、主役二人の演技を見たときに、根岸君がダブルキャストにしたいって言った意味がよく分かった。全然違うタイプの差がついた劇になるんじゃないって思ったし。演出については根岸君に全部投げてるしね(笑)。脚本を書いている時点で、役者もやりたくなっちゃって。じゃあ誰に演出をお願いしようって考えたときに、周りの状況をよく把握して、うまく関係づくりができる根岸君しか頭に浮かばなかった。

根岸:ありがとう。かおりんが脚本を書いている時点である程度舞台装置も決まってて、その舞台装置も結構大変そうで。本当に気合も入っているけど・・・大変な公演になる気がしてる。

櫻井:現在進行形で大変だけどね(笑)。さっき演出で脚本を壊さないようにって話が出たけど、主役2人の演出って単に表面上の演技だけじゃなくて、変えてるところも結構あるよね。それも見所の一つじゃないかと思う。

根岸:(カメラの方を向いて)ぜひ、1回だけじゃなく2回見ていただいて、どこが違うのか探して欲しいと思います!

櫻井:対談なのにアピールしちゃった(笑)。

根岸:我々そういうところ正直に話しちゃうからね(笑)。

大学4年間の成長と後輩への想い -楽しく、そして向上心を忘れずに-

 

櫻井:そういえば、今回の会場となる221教室で初めて芝居したのは、1年生の夏公演だったよね?あの時はどうだった?

根岸:あの時は先輩のやることを見てついていくしかなかった。

櫻井:ついていくだけで精いっぱいだったよね。改めて考えると221教室って公演で使える一番大きい教室じゃん? 役者として舞台上に立ってて、舞台上の空間が1年生の夏に比べて「出来ている」実感がある。役者で稽古していて、自分の動き方、見せ方まで考えられるようになった。4年間で進歩しました。自分で動けるようになると役者は楽しいね。今の後輩たちは221教室ではなく、小さい教室を使うことが結構多かったから、今回の公演では大きい教室を十分に使って存分に動いて欲しいね。

根岸:僕は前回221教室使った時は照明だったんだけど、照明と演出では見ているところが全然違うね。221教室って大きい教室だから客席にいるお客さんに向けた声の出し方とか声の反響とかも気にしてる。1年生は大きい教室で公演をするの初めてだから先輩としてそういうところは、意識しながらアドバイスしてる。演出としては今回が4回目だけど、3年生で一旦引退するから、今回の公演準備が始まるまで1年生とは全く話したことなかった。2年生とも引退公演の一回しかかかわったことなかったから、4年生を除くとほとんどが初めて会う人ばかりだった。公演を通してみんなとも仲良くなれたかな(笑)。

櫻井:後輩たちには今後も頑張って欲しいしね。

根岸:シンプルに「劇を楽しい」と思って作って欲しい。嫌でもやらなきゃいけない仕事と違って、サークルだから拘束はゆるいけど、嫌々やっては欲しくない。公演期間中は上手くいかなくてつらいこともたくさんあるけど、公演が終わったらなんだかんだ楽しかったと思える雰囲気で舞台を作って欲しい。後輩たちが我々と同じように4年生になって卒業公演をするときに、4年間演劇やってて楽しい大学生活だったって思えるように活動をして欲しい。楽しい心だけは忘れないように

櫻井:そうだね。俺は今までの公演でほとんど役者をやってきたけど、毎回何かしら後悔が残った。考えれば考えるほど「もっとやれた」とか「もっとキャラクターについて深く掘り下げられた」とか考えてしまう。たぶん演劇をやってる上でこうやって悩むことはなくならないことだと思う。そこで意識を低く持ってほしくない。「ここまでやれたからいいよね」って妥協するのではなく、「ここまでやってやった」って自信をもって言えるくらい努力して欲しいね。努力してやり切ったら「気持ち悪い後悔」じゃなくて、やり切った清々しい気持ちになれると思う。楽しみつつ全力で取り組んで欲しいなと思う。

根岸かおりんの話を聞いてても思ったけど、サークルの人数が少なくなってはいるけど、いろんなことに挑戦して欲しい。大学構内だけでなく外部の会館で公演をしたりとか、せっかく他のサークルが沢山ある大学で活動しているんだから、音響素材を軽音楽部に外注してみたりとか。お金がなかったり、人が少なかったりするのを言い訳にせず、知恵を絞って色々なことに挑戦してみたら面白くなるかもしれない。

櫻井:確かに。今回の公演を通して後輩に伝えたいことが沢山あるね(笑)。

根岸:先輩である我々が頑張らないとだ(笑)。

 

この対談で、 櫻井さんと根岸さんがそれぞれにこだわりをもって舞台を作っている様子がよくわかりました。 対談の中で随所に2人の仲の良さが表れていたのではないでしょうか。 今週末に行われる高崎経済大学演劇研究会さんの舞台をぜひ見に行きましょう! 一回だけとは言わず二回見た方がこの舞台を楽しめると思いますよ! 気になる公演情報は以下の通りです。


2019年高崎経済大学演劇研究会冬公演 『ウェルカム アワー・ホーム』

脚本:櫻井薫
演出:根岸直人

日時
2/10(日) ・11(月・祝)
両日とも、11時~、14時~開演 ※開場は開演の30分前です。
公演時間は80分程度を予定しております。

入場無料

場所
高碕経済大学2号館2階221教室

◆その他諸注意など

・会場内での飲食は禁止とさせていただきます。
・演出の都合上、上演中はエアコンを停止させていただきますので、体温調節が可能な服装でご来場ください。


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