アンケートのお願いと賛同メッセージ
先ほど更新した「群馬県における新型コロナウイルス(COVID19)による演劇活動の現状把握アンケート」を発案、賛同してくださった方々のコメントを掲載します。このような趣旨でアンケートを行っていることをご理解いただけると幸いです。
また、この活動を通して、この活動と同様に群馬県における演劇活動を多くの方に知ってもらえたらと思っています。
群馬県内を拠点とする演劇人ならびに舞台人のみなさんへアンケートのお願い
演劇プロデュースとろんぷ・るいゆ主宰
中村ひろみ
お願い
群馬県前橋市在住、演劇プロディースとろんぷ・るいゆの中村ひろみと申します。新型コロナウイルスの影響で、群馬県内でも、多くの舞台人のみなさんが活動の縮小・中止を余儀なくされていると存じます。その現状把握のためのアンケートにお応えください。
多様な表現を担保する地域の表現者
私たち地域の演劇人ならびに表現者は、プロ・アマの立場を超え、群馬県という地域における「表現活動の多様性」を担保しています。あの劇団のあの舞台、このユニットのあの表現、そのひとつひとつが、今、地域のみなさん、県民のみなさんの目にふれてもらえないことは、表現する側だけでなく、観ていただく側の、地域や県民のみなさんにとっても、大きな損失になっています。
現状把握・報告のためのアンケート
そこで、「群馬県では今、舞台表現において、こんなことが起きています」という現状についてまとめるために、みなさんに、アンケートにお応えいただければと存じます。
すでに兵庫県豊岡市や鳥取県・愛知県・静岡県・金沢市・京都市などでは地域の舞台芸術活動に対する支援策も出ていますが、今回の群馬県内のアンケートでは、まず「現状把握」を第一義としています。支援については、アンケート結果の一環として「こんな支援方法はいかがでしょうか」というアイディアを出す程度で考えています。強行に支援を要求する方法ではありません。
実情に合わせたお答えを
たまたま公演と公演のあいだで活動がなかったみなさんや、稽古だけを進めていた方々、具体的に公演の中止・延期に悩まれた方と、様々いらっしゃると思いますが、それぞれの実情を可能な範囲でお教えいただければ幸いです。選択肢が網羅しきれない部分もあると思うので、「その他」への自由記入をご活用ください。
6人の賛同者
今回の私からのご提案に、生方保光さん(劇団ザ・マルク・シアター)、加藤真史さん(演劇/微熱少年)、郡司厚太さん(a/r/t/s Lab)、「サイトぐんま演劇商店街」から鳴海琢元さん、木田恭平さんの計6人にご賛同いただきました。合わせて生方さん、加藤さん、郡司さん、お三方からみなさまへのメッセージもお目通しいただければと存じます。
群馬県文化振興課への提出、サイトぐんま演劇商店街での公開
アンケート結果については、中村が2016〜2019年度の二期、群馬県文化審議委員を務めておりましたので、まとまり次第、群馬県文化振興課へ提出する予定です。合わせて、中村がアドバイザーを務める「サイトぐんま演劇商店街」にも掲載できればと思っています。公表の前に、公表予定内容を確認したい方は、その旨、お伝えいただければと存じます。
また、できるだけ多くの方に、個々のお考え等を聞かせていただきたいのが基本ですが、団体ごとに、代表が一括して回答いただく等は、各団体ごとにご判断いただければと存じます(個人情報の記載は、任意としています)。
まずは演劇人のみなさんへ、可能な範囲で音楽・美術のみなさんへ
今回の呼びかけは、まず、賛同者6人から、お知り合いのみなさまへお声がけいたします(プロ・アマ問わず、群馬県内で活動する俳優・演出家・劇作家・制作者・舞台監督・音響家・照明家etc…)。受け取られたみなさまが「この人にも答えてほしい」と思う方がいらっしゃったら、6人の賛同者のメッセージとともにアンケート用紙をお渡しください。
数日後、SNSでの呼びかけもはじめますので、その節はみなさまで拡散していただければ幸いですが、その呼びかけまでは、不特定多数へのご連絡はご遠慮ください。
また、なかなかすべての舞台芸術を網羅するだけの能力を持ち合わせないので、まずは演劇関係者の方にお声がけしますが、賛同者からは、知り合いの音楽関係やパフォーマンス系の美術関係の方にもお声がけする予定です。
よろしければご覧のほど
加えて、これはたまたまですが、上毛新聞文化部から中村が取材を受け、今回のコロナ禍における群馬県内の舞台表現者としての意見が掲載されることになっています・・・どれくらい真意をまとめていただけているか不安ですが・・・4月28日が掲載予定となっていますので、合わせてご覧いただければ幸いです。
m(_ )m m( )m m( _)m
お忙しい中、また気持ちも萎えるばかりの毎日ですが、ほんの少し、お時間いただければありがたいです。不明点やお問い合わせはなんなりと、事務局もしくは中村に、ご連絡いただければと存じます。なにとぞ、よろしくお願いいたします。
アンケートはこちらから
https://forms.gle/175vuouLMh7NthSy5
2020年4月26日
ぐんま演劇人アンケートの実施について
劇団ザ・マルク・シアター
エグゼクティブプロデューサー生方保光
コロナの影響で、群馬県内の演劇人が練習や公演が出来ず困っている!この現状を群馬県などの行政やメディアに伝えたいと中村ひろみさんから相談を受けました。そのためのアンケートを演劇関係者から取りたいので協力してほしいと。そんな始まりでした。微熱少年の加藤真史さんや郡司厚太さんのパワーに助けられながら、その仲間に入れていただきました。
このアンケートの主旨は、中村さんが記述しているとおりです。私もそれに賛同します。
さらに私が望むものは、このアンケートに参加していただいた皆さまと、コロナの影響で委縮し疲弊した県民の皆さまのために、演劇に限らず芸術・文化を通じて『心が楽になる』何かをやりたい!と切望しています。
行政に訴えてお金を出してもらうとかではなく、自分たちでできるちょっとしたこと。
例えば、学校に行けない子供たちに演劇の基礎や練習方法や一人で出来る柔軟体操とかをYouTubeで教えるとか。コロナが終息した後は、面会が許されなかった老人施設などに慰問に行くとか、野外広場で音楽に合わせて即興劇をやるとか。
皆さんが持っている知識や技能を、自分の満足のためだけでなく、みんなのために使ってほしいのです。
そうすることで、行政やメディアも演劇の有用性や価値を認めてくれるのではないでしょうか?
演劇に携わる人間はとかく自己主張が強く、協調性がないと言われています。まあ、そんなところもあるでしょう。しかし、この未曾有の危機に感受性豊かな演劇人たちが、『なんとかしなければ』と思わないはずがありません。
それからもう1つ、われわれアマチュアを支えてくれたプロのスタッフの方々を応援しましょう!また、一緒に舞台を創ってもらえるように支援しましょう!
出来ることは限られているかもしれません。でも、なにかやらなければ!
そんな思いを込めて、応援のメッセージを送ります。
みんなで頑張りましょう!
2020年4月26日
1988年10月30日のワタクシ
演劇/微熱少年
加藤真史
1988年10月30日、大手楽器メーカー主催によるバンドコンテストの決勝が日本武道館で開催される予定でした。高校最後の年に仲間たちと一緒のチャレンジ。私はそれに自分の将来を賭けていました。スマホやYouTubeどころか、インターネットさえ無い、そんな時代の話です。しかも、場所はビートルズ以来の「聖地」武道館。しかし、直前になってよくわからない理由で「自粛」となり、コンテストは中止されました。なんでも会場近くにお住まいのお爺さんが体調崩してしまい、毎日テレビや新聞で「今日はどのくらい血を吐いた」と報じられていた最中でした。その日は絶望感と、それを当たり前のように受け入れる社会への憤りや苛立ちに襲われました。私と仲間たちのチャレンジはその機会をさえ奪われてしまったのです。私はオトナたちの世界に恨みさえ抱いていたのです。
その後も社会危機は繰り返されますが、その度に芸術文化は社会的にその価値が問い直され、鍛えられてきました。阪神淡路大震災後の焼け跡から「満月の夕」のような名曲が生まれたことや、東日本大震災直後にシンディ・ローパーやレディ・ガガの歌声で救われたことを、サンドウィッチマンの漫才が被災地に笑顔を取り戻すきっかけになったことを、多くの演劇人や音楽家たちが協力して作り上げた『あまちゃん』が現実と向き合って前に進む勇気を与えてくれたことを、私は今でも感謝しています。
さて、新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックは世界中の舞台芸術活動を直撃しています。ロンドンのウエストエンドでも、ニューヨークのブロードウェイでも、パリのオペラ座も、ミラノのスカラ座も、東京の下北沢にいたるまで、世界中の劇場の扉は閉ざされてしまいました。今、演劇人だけでなく、実演芸術に携わる人々、対人サービス業、医療・介護に従事する人、それだけでなく世界中のあらゆる人々が目に見えない恐怖と格闘し、そしてその価値観を試されているのだと思います。
1606年7月、ペストの流行によりシェイクスピアのグローブ座が閉鎖されました。しかし、彼はその雌伏の時間を経て世にいう「四大悲劇」を生み出すことになるのです。図らずも、今年は谷賢一さんによる『福島三部作』が鶴屋南北戯曲賞と岸田國士戯曲賞を同時に受賞しました。危機は芸術文化の創造を鍛える機会でもあるのだと考えます。
時に恐怖や不安は、人々に猜疑心と分断を植え付けます。しかし、人間はその歴史の中で互いに助け合い連帯することで危機を乗り越えることを学んできたはずです。医療者が命を救い、農漁業者が食料を生産し、予防・衛生用品を作る人がいて、それを運び届ける人がいるように、人々の恐怖や不安に対してアプローチする様々な手段の中に芸術文化に関わる人間もいるのです。世界中の人々が連帯出来るように、私は、仲間たちと一緒にこの声を届ける取り組みの声を上げることにいたしました。そして、一人の声が二人の声になり、またさらに多くの声が集まることで、この危機を乗り越えていくための連帯の輪を社会全体に広げていけるのだと思うのです。
1988年10月30日の私は自棄になり、人生までドブに捨ててしまいそうになりました。だけど、そんな私に居場所を与えて、救ってくれたのも音楽であり、また周囲の心あるオトナたちでもありました。あの時、私を救ってくれた芸術とオトナたちのように、私も今、芸術を諦めてしまうかもしれない若い世代に対して責任があるのだと思っています。
必要なのは他者に対する想像力です。本当に困っている入る人がいるとき、この声が分断ではなく連帯を生む力になれるように、1988年10月30日の私を再び生まない社会であるように、是非あなたの声を届けてください。耳を傾けてくれる仲間が必ずいるはずです。
2020年4月26日
対話の一歩
a/r/t/s Lab代表
郡司厚太
私は今回の中村ひろみさんの呼びかけに賛同し協力します。なぜなら、私たち市民が、行政と関わりをもって対話を行うということそれ自体に意味があると考えるからです。
お声がけいただいた当初は、「そんな大それたことを」とか「いまそれをする必要があるのか」とも思いました。補償があるとか、今後の上演の機会が提供されるとか、目に見える成果はあるのだろうか、とも思いました。
でも、生方保光さん、加藤真史さん交えてのディスカッションの中で、まずは行政や外部と関わりをもって対話をすること、それ自体に、意味があると考えました。
豊かな(演劇)文化とは、市民と行政がコミュニケーションを重ねて協働することによってこそ、創造されるものです。
今回のコロナ禍をそのためのきっかけとしてポジティブに捉え直し、今できることをみんなで知恵を出し合いながら模索していく。その中で、これからの活動に対して新たな可能性を見出していければと思います。
2020年4月26日
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