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劇団だんでらいおん 第7回公演「ミス・ダンデライオン」直前取材!!

ミス・ダンデライオン

夏に番外公演を行った劇団だんでらいおんが、11月に本公演を行います。
今回の公演は代表のかとうじんさんが、いつかやろうと温めていた脚本です。
なぜ、今まで温めていたのか、そして、なぜその作品を今やるのか、聞いてきました。

鳴海 :よろしくお願いします。今日は劇団だんでらいおんさんにお邪魔しております。演出のかとうじんさんからお話を伺いたいと思います。今回の「ミス・ダンデライオン」のあらすじやこの台本を選んだ理由などをお聞かせください。


「ミス・ダンデライオン」とは ー困難な状況に立ち向かっていく人物たちー

かとう:まず、選んだ理由なのですが、大前提として私の芝居をするリミットまでがそう長くないんじゃないかと思いました。私が結婚をしまして、この先、子どもが出来たりとかした時に、お芝居をする時間を持てなくなるんじゃないかというのがあって、その時までに好きなお芝居をやりたいというのがありました。その中で一番最初に浮かんだのはこの「ミス・ダンデライオン」という「劇団キャラメルボックス」が2006年に上演した作品でした。この作品は「劇団だんでらいおん」を結成したときに、いつかやりたいと思っていたんですけど、個人的にはあと3年後くらいにやりたい作品です。主演の水出をはじめとした、劇団のみんながもうちょっと成熟したとき。ただ、僕自身のお芝居のリミットに気づいたときに、やりたいことを隠しているよりは、やってしまった方がいいやと、この「ミス・ダンデライオン」をやりたいなと思いました。
この作品にはいくつかシリーズがあり、それぞれに好きな人を助けるためにタイムマシンに乗り込んでいくという共通した主人公の行動があります。でもこのタイムマシンは、ドラえもんのように過去と未来を自由に行ったり来たり出来るものではなく、乗り込んでしまうと元の時代には戻れず、自分のいた時代よりもっと後の時代に弾き飛ばされてしまうというリスクを持ったタイムマシンです。にもかかわらず、そのタイムマシンに乗り込んでいくという人物たちの生き様が好きなので、この作品を選びました。中でもこの「ミス・ダンデライオン」には、僕が小学生の時に読んで大好きになったロバート・F・ヤングが書いた「たんぽぽ娘」という小説のフレーズが出てくるんですけど、その「たんぽぽ娘」を題材にしているところもあって、この作品をやりたいと思いました。

お芝居との付き合い方とやりたい事 ー劇団としての過渡期を迎えるー

鳴海 :ありがとうございます。やるなら3年後だと思っていた中で、リミットが近づいたというのは、どういうことですようか?

かとう:自分が家庭をもって、その家庭を維持するにあたって、お芝居を続けていると、多大な時間を奪われます。逆にお芝居をやる時間から考えると、たとえば子供が出来たりとか、自分が出世して仕事での時間に追われるようになった時にお芝居に注げる時間がなくなってしまう。それを思ったからですね。

鳴海 :お芝居との付き合い方が少し変わってきた。

かとう:そうですね。「だんでらいおん」を結成した当時は役者の成長に合わせて作品を選んできたのですが、僕がお芝居をやれる時間が残り少ないのではないかという立場に立たされた時に後悔の無い演劇活動をしたいと思いました。今やりたい作品を今やった方が後悔がないのではないかと思っています。

鳴海 :過渡期に立っていると。

かとう:自分自身もそうですし、所属している水出をはじめとする劇団員たち、そして8年続いている「だんでらいおん」という劇団そのものが転換期、もしくは過渡期に立っているのではないかなと思っています。

鳴海:ありがとうございます。そして、お待たせしました。主演の水出さん。今回はどのような役に挑戦するのでしょうか?


はじめての主人公に抜擢 ー体験し得ないことを体現していく難しさー

水出 :主人公である鈴谷樹里(すずたにじゅり)は30歳のお医者さんなんです。主人公が小さい頃に難病で亡くなってしまった人を忘れられず過ごしているところに、現代に戻れないかもしれないリスクを持ったタイムマシンの存在を知るんです。ずっと忘れられず、想い焦がれていたその人を救う為に、亡くなる前の時代に単身でタイムスリップします。今まで主役の相手役としてのヒロインを演じることが多く、主役は初めてなんです。これまでは主役の人と一緒に恋愛感情を作ってきたのですが、今回は主人公である私が主導で恋愛感情を作っていかなければいかないので、その辺りが難しいです。

鳴海 :その難しさは、自分と役が離れているからですか? それとも、タイムスリップするという状況を体験し得ないものだからですか?

水出 :体験し得ないものだからですね。色々と考えていて、演出にも質問するんですが、「全体を通してやればわかる」という返答をたくさんもらって・・・。練習の過程で色々樹里と向き合ってきてわかってきた面もあります。だけど、この話はタイムスリップをして人を助けて終わり、ではなく、現代に戻れない、どのくらい未来に飛ばされるかわからない状態で、すべてを捨ててタイムスリップをする。そもそもタイムスリップしている最中に死んでしまうかもしれない。「でも、助けに行く」っていう熱い気持ちをきちんと表現できればと思っています。今回はずっと出ずっぱりの役なので、セリフの量も膨大です。しかもシーンもコロコロ変わります。そこでの切り替えを見ていただければと思います。伏線を回収していく後半は盛り上がっていくので、ぜひ注目していただきたいと思います。

さいごに

鳴海 :ありがとうございます。では、最後に演出のかとうさんからお客さんに伝えたいことがあればひと言お願いします。

かとう:お客さんに届くものってなんでもいいんです。それがいいものであろうと悪いものであろうと。見に来てくれたお客さんが何かを感じてくれたら、それでいいと思っています。僕たちのお芝居を選んで見に来てくれたお客さんが何か感じられるようなお芝居を作りますので、よろしくお願いいたします。



 


 

『ミス・ダンデライオン』

脚本:成井豊

演出:かとうじん

あらすじ

医者・鈴谷樹里は11歳の頃、小児性結核で入院をしていた。
その時、同じく入院していた作家志望の青年、青木比呂志と出会い、「ヒー兄ちゃん」と呼んで慕うようになる。
彼は幼い樹里に楽しいお話をたくさん聞かせてくれていた。
しかし、彼はチャナ症候群という難病のため、亡くなってしまう。
19年後、樹里は、チャナ症候群に劇的なこうかをもたらす新薬を手に入れる。
ヒー兄ちゃんを救うため、樹里は過去に飛ぶことの出来る機械クロノス・ジョウンターに乗り、19年前の過去へと飛ぶ。

日 時
2018年11月24日(土)19時開演

2018年11月25日(日)14時開演

会 場
群馬県前橋市民文化会館大胡分館 大胡シャンテ
群馬県前橋市大胡町15

観劇料

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